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スーツの話(現実逃避として)

 お受験スーツという言葉があるらしい。小学校受験に付き添うお母様方の戦闘服だ。どうやら小学校受験の入試面接は親御さんが面接を受けるらしい。当たり前だろと言われても仕方がないが、あまりにも別世界の話で、考えたこともなかった。

 

 ”就活スーツ”ついて、正直最初は抵抗があった。みんながこういう格好をすべきという押し付けを感じて嫌だった。伝統も何もない、業者のマーケティングの餌食になっているみたいだと。でも、実際リクルートスーツを買ってみると、一定のテンプレートがあるというのは気持ちが楽だった。そもそも誰も押し付けちゃいないし。

 明るい色は避けましょう。フォーマルな場にも転用できるから黒が無難ですよ。柄物は避けましょう。ジャケットはノッチドラペルの2つボタン、袖は三つボタン。スカートのほうが礼服としては正統です。尖ったパンプスはカジュアルな印象になってしまいます。

 今までスーツなんて着たこともないのに、スーツのマナーがわかるわけない。それがある程度画一化されていれば、売る方も楽だが買う方だって安心できる。就活生はみんな同じ格好だ、真っ黒でゴキブリみたいという意見もわかる。しかしこっちは人生がかかってるのだ。下手打って失敗したくないのは当然である。

 

 そういえば繊維業界の話で「お母さんの参観日の服」というワードが出てきて懐かしさを感じた。入学式や卒業式、参観日にお母さんたちが着ていたカラーフォーマルは、あの場でしか見たことがない。パステルカラーのアンサンブル、胸元には共布でできたバラのコサージュ。

 他に明るいセレモニーといえば結婚式だが、若い女性はドレスを着るイメージだ(行ったことがないのでわからない)。昭和の匂いがする古着屋さんへ行くとよく古いスーツが売っている。国産の、厚い肩パッドが入ったカラフルなスーツを眺めていると、なんだか少し欲しくなってきてしまう。

 

 ただちょっと思うのは、2つボタンのシングルジャケットについて。女性はスーツのジャケットを着るとき、下のボタンも留めるものになっているらしい。説明会など行ってもみんなそうしている。なんでだろうと思いスーツ屋の人に聞いてみたら、「ジャケットの作り自体は男性のものと同じで、下のボタン穴は留めない前提で少し内側についている。しかしみんな留めているのでそういうことになっているらしい」というような答えだった。

 また、女性はジャケットの袖からシャツを出さないとのこと。なんだか納得できなくてモヤモヤする(もちろんそうしなきゃいけないと言われたとかではなくて、みんながそうしているなら合わせるのが無難だなと自分で考えただけである)。

 

 全てにおいて納得しなきゃいけないわけじゃないので、まあこういうことになってるんだなということです。

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